(Joaquinさん製作、Thanks!)

Season5

Alexと隊長の死、度重なる悲劇にCarlosも真剣に立ち向かわなくてはなりません。
Docの精神状態も問題ありそうだし。
頑張れCarlos、今やFDNYになくてはならない存在なんだから!!

というわけで今シーズンはCarlosの立場からTWを振り返ってみることにしました。
捏造部分はあしからず。


<#1 大切な人たちの死 >

○月○日

長い一日が終わった。

また大切な人たちを失ってしまった。この仕事の宿命だ。
アレックスの最期は声を掛けてやるだけで精一杯だった。
もう手の施しようがなかったんだから仕方がないが、アレックスはきっと安らかに眠ってくれると思う。

そして痛々し過ぎる隊長の姿。もう見ていられなかった。
ドクが最期を看取ったことを聞いた。これでよかったのだろう。
しかしドクは自分の決断を後悔していないだろうか。ドクの事だからまたくよくよ悩むに違いない。

それにしてもマスコミのでかい態度。いつもの事とはいえ本当に腹立たしい。
ノーブルの死についてキムを気遣ったのは我ながらよくやったと思ったけど、最後の詰めが甘かったな。
どうして冷静にきちんと事実を伝えられなかったんだろう。だから僕ってダメなんだ。あーあ。
結局キムに疎ましがられてしまったし。
キム、ジミーの肩で泣いてたね。君を励まし救えるのはやっぱりジミーしかいないんだ。

    

 

<#2 ドクの代わりに>

○月○日

ドクは朝から変だった。
下手に神経を刺激したらマズイなって、それはよくわかってるから気をつけていたつもりだけど
ずっと心ここにあらずって感じ。
最後の現場勤務だから感慨に耽ってるのかなと思ってたら、そうではなかったんだね。
本当は今まで世話になったこと、きちんと礼を言いたかったのに
結局言いそびれてしまった。

アレックスに別れのスピーチをするって聞いたとき、気を利かせたつもりで文例集を持っていったんだけど
これがまたドクの気分を害させてしまったみたい。僕って相変わらずボケてるな。
でもやっぱりドクの事が気になって、アパートを訪ねていったんだ。

ショックだった・・・
あんなに怒り狂うドク、見たことがない。
仕事の場でも感情を押し殺し、努めて冷静に動いていたドクが
冷静さを失った姿、信じられなかった。
ドクのせいじゃないよ。
アレックスはわかっていたんだ。何とかして車中の人を助けなければならないって。
確かに救命で働く事はアレックスには納得いかなかったのかもしれない。
でもあの瞬間は、アレックスは精一杯尽くしていたんだ。
自分の仕事に誇りを持って・・・

原稿が出来上がらないまま、僕はドクを車に乗せた。
ドクは落ち着いたが、今度は車から降りようとしない。
「カルロス、代わりに行ってくれ。」
そんなことを言われても、アレックスのお母さんはドクのスピーチを待っているんだ。
僕に代役が務まるのか?
でも時間がない。なんとかしなくては。
ドクを車に残したまま乗船する事にした。

みんなにはドクは具合が悪いと嘘をついて、スピーチの代役を申し出た。
原稿なんかできていない。
でもドクの胸のうちと、アレックスの素晴らしさと
僕が最期に聞いたアレックスの言葉をお母さんに伝えられればいいと思って、
思いつくままに喋った。
こんな形でよかったかな。
アレックスにもきっとわかってくれるだろう。君との約束、守ったよ。

でも本当は、ドクに聞いてもらいたかったんだ。
僕のスピーチ、これでよかったのかなって。

    

 

<#3  落ち着かないドク>

○月○日

トラック内に隠れていた大量の不法入国者たちの中にペストの疑いのある患者を発見。
もう根絶したものと思っていたからビックリした。
院内では「薬を飲めばうつることはないから安心してください。」なんて冷静に努めてたけど
正直これでおしまいだったらどうしようって不安もちらりと頭をよぎったんだ。
だからドクに僕のゴージャスな夢を語ってみたけど、わかってもらえたかな?
まあドクには無縁の世界だよね。

それにしてもドク、どうしてこんなにイラついているんだろう。
管理する立場に変わったとたん、杓子定規になってしまって
新人の気持ちをもうちょっと考えてあげられないの?
僕なんて新人時代もっとめちゃくちゃやってたのに、ドクはいつも助け励ましてくれた。
なのに今はさっさと見捨てようとしている。

ドク、いったい何があったんだい?

       


 

<#4  みんな変わっていくんだね>

○月○日

ドクはどうしているのかな?

偉そうなキムの態度には最初はムッとしたけど、仕方がないんだね。あれが彼女の仕事なんだから。

ボスが女性だと細かい事までぐちゃぐちゃ煩いし、こっちの気持ちも察してくれない。
ドクだったら阿吽の呼吸で通じ合えたのに。
気になりだすと言いたい事もたくさんあるけど、僕は成長するんだ。そのくらいは我慢するよ。


それにしてもジミーも大変だな。
ジョンソン隊長の後釜なんて誰も簡単になれるもんじゃないのに
そんなに背伸びして頑張らなくても・・・
いつもは物静かなビリーがブチキレてたときは焦ったけど、とりあえずは仲直りしたようでよかった!

そうそう、ジミーとキム。寄りが戻ったのかな?なんだかいい感じ♪

ああ、ドクはどうしているんだろう。
 

<#5 神聖な仕事>

○月○日

キムが怒ってる。
当然だ。あの時は患者の命を救うために、一刻を争っていたんだ。
正しい手続きは踏んだよ。でも電話が繋がらなかったんだから仕方がないじゃない。

ドクはわかっていたはずなのに、譴責処分なんてひどすぎる。

ドクだって現場ではまず人命救助優先。そのために規則に目をつぶってたこともあっのに。

それが管理する立場になると、急に別人のようになってしまった。
僕たちは仲間だったじゃないか。それなのに頭ごなしに規則を押し付けてくるなんて。
神聖な仕事、それはドクの言うとおりだ。
僕はドクからたくさんの事を学んでここまで来た。
キムだって同じ事。僕たちは精一杯頑張ってる。
神に与えられた任務を全うしてるんだ。
だから僕たちを信じて欲しい。

お願い。いつものドクのままで、僕たちを見守っていて!
 

<#6 一言言ってくれればいいのに>

○月○日

ネーダさんの救命のために精一杯やるべきことはやった。
キムもそう思ってる。

だから後で判事を搬送したときに、いつものようにお悔やみの言葉を述べただけなのに
サリーが怖い顔で睨んでた。

判事の安全が確保されていないのに余計な心配をさせないようにと
サリーが嘘をついてたなんて
だったらこっちにも一言言ってくれれば一応気は遣ったのに。

でも嘘をついても仕方がないよね。


 

<#7 最悪の一日>

○月○日

まずPCのせいで寝不足。これは自分が悪いんだから仕方がないけど。
ユージーンに運転させていたらいきなりドカーン!
何が起こったのか一瞬わからなかった。
目の前に飛び出したエアバックを押さえながら、外を見たらバスがぶっ飛んでる。
まずい、怪我人だ。
とにかく救急車の外に出た。
まずは乗客の怪我の様子をチェック、応援が来るまで緊急を要する患者から治療を始めないとと
相当具合の悪そうな運転手をユージーンに任せて、恐怖に怯える少女をなだめた。
少しずつ患者を車外へ運び出していたら、ボスコがやってきて
「バスに何人乗っていた?」って怒鳴りつけてくる。
知るかよ。こっちの仕事は怪我人を救助する事なんだ。
そこにさらに機嫌の悪そうなドクが到着。アダムが潰れた事が相当ショックだったみたい。
ゴメン、でも僕たちのせいじゃないよ。
いきなりその場を取り仕切ろうとするドク。ちょっと強引だったがドクに任せようと思っていたら
いつの間にかドクとユージーンが殴り合いを。
ドクに刃向かおうとするユージーンが無茶なんだけど、これは相当驚いた。

ERに搬送を終えたら、今度はユージーンが組合に訴えると言い出してきた。
話がややこしくなるからユージーンを落ち着かせなければと焦ったが
ドクが家まで来ただって?テイラーが死んだのはユージーンのせい?
ドクがそんな言いがかりをつけたなんて大人気なさ過ぎる。
あまりにショックでドクに真相を聞く必要があった。
ユージーンはこのまま辞めていくのかな。続けていく自信がなければ決断も大切だ。

ドクは本当にテイラーの死はユージーンのせいだと思ってるのか?
ユージーンの作り話だと思いたかった。
だがドクはあっさりと認めた。そしてユージーンが辞めるのも当然のことだと言い切ってる。
ドク、いったいどうしたんだよ?
そんなつまらない事で言いがかりをつけて新人をいじめなくても。

キムの言うとおり、ドクはなんだかおかしくなってしまったのだろうか。

    

 

<#  僕は諦めない>

○月○日

ドクが現場に戻ってきた。
久々の現場にご機嫌な様子だったけど、相当テンションが高かった気がする。
またドクと一緒にアダムに乗れるのは嬉しいけど、キムの立場もあるし、このままじゃマズイよね。
ドクの腕は一流、それは誰もが認めるよ。
でも今のままでは絶対によくない。
だからはっきりと、必要だったらカウンセリングを受けたらって言ったのに
逆に怒鳴りつけられちゃった。
本当にドクの事を心配してるんだから。どうしたらわかってくれるんだろう。

そしてカイリー。
病気のことはショックだった。
僕の骨髄もマッチしなかった。
でもここで泣き叫んでもカイリーは救われない。
僕は諦めないよ。なんとしてでもカイリーを助けてみせる。
カイリーも小さな体で必死に戦っているんだ。
僕の可愛い天使。
頑張れカイリー、僕も頑張るから。

僕の家族はどこにいるのだろう・・・

    
 

<#9 奇跡を信じてる>

○月○日

奇跡は起こるのだろうか?

ハーレーにあっさり見捨てられたときは本当にがっかりだった。カイリーは不憫すぎるって思った。
でもドクが赤十字で調べる事を提案してくれた。
ハーディングさんのことが思い出せてよかった。これでカイリーを救う手がかりが見つかるかも。

ドアをノックしてハーディングさんの姿を見たとき、体が凍り付いてしまった。
彼女の事は覚えているような気もするがよくわからない。
僕はここで何をしてたんだろう。必死で思い出そうとすると言葉が出なかった。
ドクが代わりに挨拶してくれる。
ハーディングさんは僕の事を覚えてくれていたみたいだ。アルバムを見せてくれた。
4歳の頃の僕の姿、初めて見たよ。
カップの持ち手の耳だって?そんなこと言われてたんだ。
怯えていた子だったんだね。確かに楽しい思い出はない。
それを裏付けるかのように出てきた新聞記事。
僕の父は交通事故で死んだなんて。そして息を引き取る父の傍らに何が起きていたのかもわからず呆然と座っていた僕。
救命士は助けに来てくれなかったの?今の僕ならなんとか出来たかもしれないのに。

ドクは奇跡を信じてるみたいだ。
テレビ局に話して、僕の肉親探しをテレビで訴える段取りをつけてくれた。
最近のドクはコロコロ性格が変わるから、僕もどうしていいのか悩んでいたけど
昨日今日のドクはいつものドクだ。
困っていると親身になって助けてくれる。ありがとう。
そしてジミーたちもチラシを作って応援してくれた。
みんなきっと奇跡が起こると思って協力してくれたんだね。

そして長い夜。立て続けにかかってくる電話。
いつの間にか僕は責められていた。
確かに神の教えには忠実でなかったかも。それは反省する。
神に見捨てられても仕方ないかな。少し奇跡が遠のいた気がした。
そのとき受話器の向こうから神の声が。

今度こそ本物、そう直感で信じた。
母に会えるなら何を犠牲にしてもいい。これでカイリーが救えるんだ。
僕はひたすら待ち続けた。母の姿が見えるときを。



しかし母は現れなかった・・・

「もう今日は帰ろう。」とドクが声をかけてくれた。
「本当に飛行機に乗り遅れたんだ。」
「だったら連絡が来るだろうが。携帯の番号教えたんだろ。」「うん。」
「カルロス。気を落とさずに聞くんだ。もしかしたらお前は、調子よく騙されていたのかもしれない。詐欺師にうまく金だけ巻き上げられたのかも。」
「そんな。あの声、絶対母さんだと思ったのに。僕は本当にあの声を聞いたらほっとしたんだよ。」
僕は納得出来ずにいると
「きっとお前の家族の誰かがテレビを観てるから、今度こそ本物の母さんが現れる。カルロス、奇跡を信じろ。」
ドクは励ましてくれた。

わかった。奇跡を信じるよ。
 

  

  

 

<#10 クリスマス・プレゼント>

12月24日

ところが奇跡が起こった!

兄からの電話なんて全く信じられなかった。また騙されるのかと思い相手にする気もなかった。
だがジミーからのしつこい連絡。そうじゃなくてもドクはあちこちに当り散らしてるし
いい加減うんざりしながら署に戻ったら、スーツを着た男性が立っていた。
知らない人だ。でもこの人は僕を知ってるらしい。

「僕が兄だ。ハワイのケーブルTVのニュースで弟の姿を観た。」なんて言われても真面目に受け止める気にもなれなかった。
おまけにアダムなんて呼ばれても全然実感がわかない。
僕はカルロス。覚えているのは里親にたらいまわしにされた寂しい思い出ばかり。
ハーティングさんのことでさえ覚えていないのに、兄がいたなんて??

両親の離婚で子供たちの養育権の決定がこじれて、僕は父に連れられて家を出て行ったらしい。
そしてどこでどう彷徨っていたのか、いつの間にか父は交通事故に遭い、僕は取り残された。
兄は25年僕の事を探したと言っている。どうしてもう少し真剣に探してくれなかったのだろう。
もっと早く見つけてくれていれば、僕の人生も変わっていたのかもしれない。

いくら説明を聞いても信じる気になれなかったのに、検査報告を見せてもらってようやく実感がわいてきた。
カイリーと骨髄がマッチするか、わざわざNYまできて調べてくれたんだ。運よくOKだ。
これでカイリーも救われるし、僕に本物の兄ができた。
素晴らしいプレゼントをどうもありがとう。奇跡を信じつづけていてよかった!

しかし、ドク、かなりヤバイよ。キムやジミーへ八つ当たりしたい気持ちは想像つくけど、
ERで大騒ぎしなくてもいいじゃない。
モラレスからのクリスマスカードがよっぽどショックだったんだな。

  

    

<#11  残虐な事件>

○月○日

ドクに突如Boyに乗ってきてと言われて、一人現場に直行する。

人気のない住宅地は静まりかえって不気味だ。
黄色のテープの向こうの壁に、大量の血がこびりついていた。
これだけ出血したら大事だぞと眺めていると、現場に入るなと怒鳴られた。
そのくらいわかってるって。
警察の皆さんは僕を便利屋だと勘違いしている。僕が乗ってるのは救急車なんだから
ふてくされていたら巡査部長に呼ばれた。

小屋の中から引きずり出された遺体は、顔面が激しく損傷していた。
何度もナイフで突き刺され、首までかき切られている。
どうしてここまで残虐なことが出来るんだろう。
こんなに痛めつけられ変わり果てた遺体を見るのは初めてだった。
もう少し早く到着していても、やはり命は救えなかったろう。
 
不機嫌なドクとキムの代わりに、トミーとか言う容疑者の青年を見張っていた。
なんと落ち着いた態度なんだ。顔色ひとつ変えやしない。
そのうちボスコがトミーを逮捕しパトカーに乗せた。
僕の仕事は終わった。
だがあの変わり果てた遺体の事はしばらく忘れられそうもない。

ドクはボスコと大喧嘩したらしい。キムもぴりぴりしてる。
困ったなぁ。


 

  
 

<♯13 さよなら、ジミー>

○月○日

ジミーがブルックリンのレスキュー部隊に異動になった。
本当は1ヶ月前に決まっていたそうだが、話が来たとたんに荷物をまとめて出て行くなんて
なんとせわしない事か。
そして55分署での最後の大仕事。火災現場での救助で九死に一生を得ながらも大活躍したそうだ。
さすがにジミーだね。55分署を離れても、ジミーはずっとずっと55分署のヒーローだよ。

そして突然現れた分署長スティーパー。なんとなく口うるさそうでうっとうしいけど
ドクは相当嫌っているみたい。
いつもにもまして悪態のつき方がひどくなってきた。
いきなり分署長に対してその振る舞いはまずいんじゃないの?
 

<#14 ドクに感謝!>

○月○日

ドクが突然家でパーティーを開くって言い出した。前代未聞のことだ。
文句ばかり言って不機嫌なドクも困るけど、ここまで明るく振舞われるのもなんだか嫌な予感。

と思っていたら予感的中。ドクはクリスチャンを勝手に呼び出してた。勘弁してよ!
クリスチャンは写真を撮るのが趣味なんだって。だからNYでも物珍しそうに景色をせっせと撮っていた。
だが今日は違う。55分署の同僚たちに次々にポーズを注文している。
はっきり言って仕事の邪魔だし、キムはこっちを睨みつけてるし、
案の定規則違反だって言われちゃった。仕方ない、兄貴を追い返したよ。寂しそうな顔をしてERを出て行ったが。

そしてその晩はクリスチャンはアパートに帰ってこなかった。
僕はそれほど嫌味を言ったつもりはなかったんだけど、兄貴にはショックだったんだろうな。
弟のために良かれと思ってやった事を、見事に弟に否定されてしまったんだから。
このときばかりは相当僕も反省した。

翌日シフトについていると、クリスチャンが姿を現した。
ハワイへ帰る予定を早めたなんて、よっぽど僕を見捨てたくなったのか、
クリスチャンは何度となく僕に医者になる事を勧め、僕はさりげなく答えを避けてきた。
僕もいたかもしれなかった家族は本当にエリート集団だったので、僕は完璧なはみ出し者。
でもそれを恥じる気は毛頭なかった。
僕は救命士の仕事に誇りを持って働く事を誓ったんだから。
給料が安くても、待遇が悪くてもずっと続けていきたい。
やっとはっきり自分の気持ちを伝えた。

夜、ドクの家は大盛況。あっけに取られながら脇でビールを飲んでいた。
明日の朝は早いけどパーティーに顔を出すと言ってくれたクリスチャン、約束を守ってくれたのは嬉しかった。
ドクがみんなにクリスチャンを紹介する。
クリスチャンはアルバムを披露した。体験乗車の成果がこれだったんだ。
クリスチャンは言ってくれた。「本当はハワイの家族の一員として迎える予定が、NYにこんなに素晴らしい家族がそろっているからその必要はなかった。」と。
ようやく兄貴にわかってもらえた。
それも嬉しかったけど、僕の思いをハワイへ伝えるきっかけを作ってくれたドクになんと感謝したらいいのやら。
あんなにそっけない態度を取ってしまって悪かった。改めてドク、ありがとう。

  

 
 

<#15 その瞬間>

○月○日

仕事が終わってランチに戻ったとき
いったい何が起こっていたのかとっさにはわからなかった。
床に横たわり出血したまま呼吸が浅くなっていくスティーパーと
スティーパーを見下ろし立ちはだかるドク。
仲間たちは縮こまったまま息を潜めている。
どうして誰も救護をしないのかとスティーパーに近寄ろうとすると
ドクの右手に拳銃が握られていた。

状況が飲み込めたとき
とにかくスティーパーを助けようと思った。
このまま何もせずに放置しておいたら、ドクは殺人罪に問われる。
ドクは15分待てと言ったがそれでは間に合わない。
銃口が目に入ったが気にしなかった。
「僕を撃てるもんなら撃ってみろ。」ドクが僕を撃つなんてありえない。
そう信じて手袋を取り出し、スティーパーの上にかがみこんだ。
後頭部で引き金を引く音がする。まさか・・・
僕のすぐ後ろで銃声が轟いた。

もうおしまいか?いや、ドクは僕を撃つ気はなかった。
意地で救護を続けているとキムが近寄り
ビルやDKらも手を貸してくれた。
ドクはイライラしているようだ。とそのとき別の銃声が聞こえた。
そしてサリーが中に入ってきた。
上に逃げ込むドクを追っていく。
その間に僕たちはスティーパーを搬送した。
救急車の中で、何があってもスティーパーを死なせちゃいけないとそれだけを願っていた。
マーシーに着き、スティーパーは一命を取り留めた。

その後ドクはサリーに説得され、連行されていったそうだ。
ドクは僕の腕を褒めていたとサリーから聞いた。
ドクの教えを守ってここまでやってきたんだ、当然だよ。
これからもドクのためになんだってやるから、ドクも何があっても頑張ってほしい。

  

 

         

<#16 カウンセリング>

カウンセラーとの会話

いつまでにらめっこするんですか?

あなたみたいな行動を取った人は、もう少しいろいろ話してくれると思ったんだけど。

特に追加する事はないよ。

まだ何も聞いてないわ。


何が起きたかは他の人から聞いたでしょ。

こういう面接のシステムはわかってるでしょ。施設にいたころは、さんざんカウンセリングを受けたんだから。


ほら、やっぱり何でも知ってる。

割と最近、医学部予科を退学してるわね。                


それが?
 

何故?


何故って、辞めたくなったから。

パーカーさんがあなたを殺そうとした事、怒ってる?                        

   
殺そうとなんかしてない。

でも、怒ってる?

そんな事言ってませんよ。

親しかったんでしょ、ドクとは。

それはどういう意味かな?                                       

しょっちゅう一緒にいて、仲良くなった。


それはドクのやったこととは関係ないでしょ。

9.11は非番だったわね。貿易センタービルの事件のとき。               

でも、あの日はみんな現場に行ったよ。

事実を確認してるだけ。


9.11とこれと、どういう関係があるわけ?

立てこもってたドクが警察官に語った内容によると、彼の心が蝕まれた原因の根底は、あの事件にあるように思えるの。

まさか、ドクは本当に頼りになる人で、一番たくましかった。ドク・パーカーがいたから、僕は医学部を辞めた。ドクみたいになれるんだったら、救命士もいいなと思って。
 

<#17 初めての仕事>

○月○日

カウンセリングが終わった後、救命士になった日のことを思い出していた。

実地訓練は受けてきたのに、いざ現場に出るとまるで足手まとい。
何も役に立っていない事がショックだった。
そして忘れもしないジェリーが撃たれた晩。
突然の銃声に足がすくんでしまって全く動けなかった。
ドクが声をかけてくれなかったら、僕も撃たれていたのかもしれない。
この仕事が危険と隣り合わせであることを、身をもって知らされた。
そしてドクはジュリーが撃たれたことを、その後もずっと悔やんでいた。

翌日、ビルの爆発現場で窓から落ちそうになった人を、体を乗り出して支える事になった。
下を見たら足が震えてきたが、怖がってる場合じゃない。
人の命を救うのが僕の仕事だ。そしてドクが僕を支えてくれている。
ドクを信じて何とか持ちこたえた。

これが僕の初仕事。
出会ったときからずっと、ドクの事を信じてきたんだ。

*スーパーチャンネルでのS1放映を記念して、カルロスに過去を振り返らせてみました。