「子供たちに健康な歯を、水道水にフッ素を!」は、当会の会報の表ページにも記されているスローガンです。しかし、目下のところ、日本において水道水にフッ素を添加し、むし歯予防を行っている地域はありません。

 おとなりの大韓民国(韓国)では、1981年に人口12万人の鎮海市において最初の水道水フッ化物添加(上水道フッ素添加)が始まりました。翌82年に清洲市(人口35万)の都市でも上水道フッ素添加が行なわれるようになりました。
 1985年から87年にかけて、上水道フッ素添加のむし歯予防効果が評価され、6歳の子供で40−50%の効果が確認されました。その後、歯科医師が市民を説得し、上水道フッ素添加の全国的な普及への働きかけが行なわれました。

 1995年、国民健康増進法の第18条、口腔健康事業のひとつとして国家と地方自治体が水道水に対するフッ素添加事業を行うという法律が国会で議決されました。1997年に国の保健福祉部に口腔保健課が新設され、上水道フッ素添加の全国的な拡大が加速されました。1999年現在、25地域3,278,500人(総人口の7.1%)の人々が上水道フッ素添加の恩恵を受けています(図参照)。
 韓国政府は、2003年までに総人口の32.7%、15,086,000人にフッ素添加された上水道を給水するという目標を立てています。

隣国の経験に習い、日本においても、上水道フッ素添加の早急な実現が望まれます。

(この記事は、昨年秋の日本むし歯予防フッ素推進会議・むし歯予防全国大会における講習会の資料を基に構成したものです。)



No.109 韓国で上水道フッ素添加された都市が急増中
−フッ素添加された水の給水人工が300万人以上に−
No.111 水道水フッ素化@ −フッ素によるむし歯予防のはじまり
No.112 水道水フッ素化A −自然の観察から自然の模倣へ
No.113 水道水フッ素化B −研究調査から世界的な普及へ
No.114 水道水フッ化物添加を支援する 「名古屋宣言 Nagoya Declaration」
No.115 −健康長寿をめざして− 水道水フッ化物応用シンポジウム久米島で開催される
No.116 水道水へのフッ化物添加(フロリデーション)による成人のう触予防
No.117 乳歯のむし歯予防とフロリデーション
No.119 バーゼル市(スイス)水道水フッ化物添加から食塩へのフッ化物添加へ
No.121 オーストラリアにおける水道水フッ化物添加の経験
No.122 フロリデーションとリスクコミュニケーション
No.123 園児は上手にフッ化物洗口をしています
No.124 日本におけるフッ化物洗口の実施人数およそ75万人

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新潟大学大学院医歯学総合研究科口腔保健推進学分野
子供の歯を守る会事務局代表・副実行委員長 葭原明弘