フロリデーションは、多くの学者や専門団体によって、う蝕予防に効果的であり、安全で経済的、および社会的に公正な公衆衛生的方法として認められてきました。
 しかし、同時に、少数ではあっても、声の大きい頑強な「反対」が存在しています。
 フロリデーションが導入される過程では、しばしば誤った情報がばらまかれ、専門家のなかにも意見の相違があるかのような印象が生じることがあります。また、誤解されやすい情報が報道によって増幅され、その結果、大衆的な動揺が引き起こされることもあります。政策決定者のなかには、それを口実にフロリデーションの実施を遅らせようとするひともいるようです。
 リスクコミュニケーションは、こうした状況に対応するために、最近になって注目が集まるようになった手法のひとつです。しかし、保健関係者にとって、まだ十分に理解されている手法であるとはいえません。


 フロリデーションに関する「思い込み」の例と、それに対するリスクコミュニケーションが提唱する行動をみてみましょう。
 思い込み:コミュニケーションは、保健教育ほど重要ではない。もし、人々が正確なデータに基づいたフロリデーションに関する本当の事柄を知れば、人々はそれを受け入れるだろう。
 行動:あなたが科学的なデータについて説明する以上に、フロリデーションについての人々の戸惑いや、その戸惑いに対処するプロセスに対してもっと注意を払うべきです。

リスクコミュニケーション7つの原理

 1.住民をパートナーとして仲間に加えること
 2.慎重に計画し自分の行動を評定すること
 3.住民の特定の関心事に耳をかたむけること
 4.忠実で、気さくで、オープンであること
 5.他の信頼できる部署や組織とともに作業すること
 6.メディアの求めているものに向き合うこと
 7.明瞭にそして共感しながら話すこと
 人々は、統計や詳細な情報よりも、信頼感とか公正あるいは想像力や感情を分かち合う能力の方に注意をはらう傾向があります。
 フロリデーションにおけるリスクコミュニケーションとは、その正確な情報を住民、専門職、行政等のすべての者が共有しつつ、相互に意思疎通を図ることではないでしょうか。

参考文献
Neenan, M. E., Easley, M: Chapter 8 Water fluoridation 222-226pp., in Primary PreventiveDentistry, Pearson Education, Inc., 2004, New Jersey.


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