米国におけるこの数十年の全般的なう蝕の減少は、広汎に普及したフッ化物の応用、とりわけ

飲料水のフロリデーションに帰するところが大きいといわれています。

 逆説的ですが、いくつかの地域では、フロリデーションのおかげでう蝕の経験がなくなってきた

ので、フロリデーションを継続しなくても良いのではないかという意見が出るようになってきたくら

いです。もちろん、フロリデーションは継続されるべき施策です。

 このように全般的なう蝕の減少が見られていますが、一方では、社会的な階層によるう蝕有病

状況の偏りが明らかになってきました。他の疾患と同様に、う蝕も低い社会経済的な階層と直接

に関係しています。

 このような社会経済的な階層によるう蝕有病状況の二分化を解消するのに、最も有効で実際的

な方法として、上水道のフロリデーションは、なお必要な方法なのです。このような二分化を解消

するいくつかの代替手段があるかもしれませんが、費用効果の面からすれば、フロリデーションに

替わることのできる方法は、まずないでしょう。

 米国、英国、オーストラリア、そしてニュージーランドにおける研究から、フロリデーションは、全般

的にう蝕の有病状況およびその重症度を減少させるだけでなく、社会経済的に違いのある階層間

のう蝕の格差を縮めることが示されています。

 図は、社会経済的な階層と

フロリデーションがう蝕経験に

強く影響していることを示して

いますが、社会経済的な階層

間のう蝕経験が、非フロリデー

ション地区よりもフロリデーショ

ン地区でより減少していること

が分かります。

 フロリデーションは、公衆衛生

的に優先されるべき施策なので

す。

参考:Burt,B.B. : Fluoridation and Social Equity,Journal of Public Health Dentistry,

    62; 195-200,2002



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